AlphonseのCINEMA BOX

リトル・マーメイド(2023年)

2025/03/22(土)追加

作品情報

制作年:2023
制作国:アメリカ
監督:ロブ・マーシャル
主演:ハリー・ベイリー
助演:ジョナ・ハウアー=キング、ハビエル・バルデム、メリッサ・マッカーシー
ジャンル:ファンタジー

飛び出そう――心の感じるままに

コメント

Alphonse 2025/03/22(土)

テレビ放映にて鑑賞。

人魚のアリエルは人間のエリックに恋をした
というお話。

アンデルセンの童話をディズニーが実写化。
本来なら15分程で終わってしまう話だけに、
歌唱シーンを増やして水増し。
どうにか2時間の作品に仕上げている。

最初のうちはミュージカルシーンに耐えながら観ていたが、
耐えられなくなって字幕に切り替えた。

アリエル役の歌のうまさに感心。
一部ではアリエル役が有色人種であるため、批判が殺到したらしいが、
そんな雑音を消し去るほどの歌唱力だった。

話の内容はアニメ版とほぼ同じ。
そのため途中から、だれてしまい今一つに終わってしまった。

ディズニー人気にあやかって、
テレビドラマでもミュージカルシーンを入れてくることがあるが、
私はダメ。

おそらくこれは日本の音楽の歴史と関係しているように思う。
長くなるが書いておく。

日本で音楽が広く一般に広まるのはラジオ放送が始まってから。
それまでは日本の音楽は式典で演奏されるのが一般的だった。
入学式、体育祭、卒業式などその典型だ。

明治以降からの軍隊式の流れがたぶんに影響しているのだろう、
理路整然と整列している隊列が美しい。
という様式美も重視されているように思う。
北朝鮮のマスゲームのごとき集団行動などはその典型だ。

そのため会話の途中で歌い出すなど、様式美から外れてしまうため、
成人式で騒ぐ二十歳が非難を浴びることになる。

それから、楽器の進化が止まっている。
琴、三味線、尺八、笙といった古来からある楽器は初心者には難しい。
誰でも鼻歌まじりに歌うように演奏できない。
そのため、生活空間に音楽の入り込む余地がない。

太鼓だけは初心者でも演奏できるが、
これも上述の様式美と関係し、
神社にしかなく誰も手軽に演奏できないようになっている。

そのため日本には日常に音楽が昔はなかったと思われる。

ミュージカルのような音に乗せてセリフを言う芝居は日本には昔からあるが、
ヨナ抜き音階ではバリエーションが少なく、
多彩な感情を表現できなかったのも原因だろう。

しかも音楽を演奏するのは芸事。
普通の人がすることではない。
という差別もあったのかもしれない。

そんなこんなで、
ミュージカルシーンは今でも私は好きになれない。

にも関わらずディズニー作品に人気が出るのはディズニーだから。

ブランド志向といってしまえばそれまでだが、
ディズニー作品は童話ばかりを映画にしてストーリーをおろそかにするかわりに、
映像に力を入れている。

本作は実写版というより、ほぼ全編フルCG。
アリエルの尻尾はもちろん、しゃべるカニ、鳥、魚。
海中の風景に、帆船に、宮殿。
どれだけセットを組んだのか疑わしくなるほどだ。

これだけのフルCG作品を他の映画会社やテレビ局が作れないから、
ディズニーにだけ人気が出るのである。