共謀家族
2025/01/19(日)追加
作品情報
制作年:2021年
制作国:中国
監督:サム・クァー
主演:シャオ・ヤン
助演:タン・ジュオ、ジョアン・チェン、フィリップ・クン、シュー・ウェンシャン、チョン・プイ
ジャンル:サスペンス
疑われたのはある平凡な一家――
家族は秘密で強くなる。
コメント
Alphonse 2025/01/19(日)
テレビ放映にて鑑賞。
中国人のようなアジア人が、いきなり登場する。
中国の映画かとおもいきや、
東南アジアのような寺院が登場して、
一体どこの国の映画を観ているのだろうと、
不思議に思いながらも鑑賞していた。
後で知ったことだが、
元々はインド映画。
それを中国がリメイクしたらしい。
しかし舞台となるのはタイなので、
なんだか不思議な感じがしたのだろう。
そんな不思議な感じのする本作だが、
内容に触れていこう。
以下、ネタバレ注意。
映画好きの父親が家族と4人で暮らしている。
娘が高校で金持ちのドラ息子にワイセツ動画を撮影され脅される。
動画を渡すの渡さないで揉めているうち、
娘がドラ息子を殺してしまう。
娘と家族を守るため、主人公の父親は、
映画を観て培ったトリックを使って完全犯罪をもくろむ。
このトリックが秀逸。
警察に容疑をかけられた際の尋問に対する予行練習をしっかり行い、
それを実行する家族。
作中では決定的な物的証拠がないため、
証言だけでは主人公たちを逮捕することができないからだ。
しかも事件当日は家族で旅行に行っていたから、
アリバイも成立。
犯行は不可能という仕掛けとなっている。
しかし犯行が行われたのは家族が旅行に行く前だった。
うまく犯行時刻を偽装し、しかも旅行に行ったかのように偽装までしていたのだ。
さすがにこのトリックには私も気がつかなかった。
本作ではモンタージュという映画手法として説明されている。
タイムトラベルもののではよくある手法だが、
出来事を時系列に並べるのではなく、順序を変えたり、
繰り返すことで、作中の時間軸を操作することができる。
それを本作ではアリバイ工作に使っている。
日本のテレビドラマならアリバイが完璧すぎて逆に怪しい。
といった具合に真相にたどり着く場合があるが、
本作の主人公は、それも計算済。
あいまいな所はあいまいなままにしておく方が自然だとばかり、
敢えて正確な時刻を使おうしていないのもよくできていた。
見事完全犯罪は成功するが、犯罪者が捕まらないで終わるのも後味が悪い。
しかも主人公が悪人にみえないから尚更だ。
主人公は罪の意識にさいなまれたのか、
自首して逮捕されてしまう。
タイの寺院がそれを象徴的にあらわしているだろう。
最終的には娘も自首して全て真相があきらかになるのだが、
元々のインド映画版は自首しないようだ。
結局逮捕され、刑務所行きになる主人公。
そこから冒頭の脱獄シーンへと連想が膨らみ、
エンドレスな展開へとなっていくのだが、
そこまでは描かれていない。
主人公が脱獄を妄想しているような感じで終了となった。
ただしミステリー好きの人が観れば、
トリックよりも警察の捜査能力の低さにあ然とするだろう。
車を水中に沈めた際に髪の毛が見つかったという。
ならば、その髪の毛からDNA鑑定で主人公のものかどうか判断がつく。
また最近の車にはGPSがついているので、
ドラ息子がどこで何をしていたか一目瞭然。
主人公宅に立ち寄ったことがわかれば、
家宅捜索は当たり前。
家族の衣類まで入念に調べられ、
返り血を浴びた服から血痕が検出されれば、
本作のトリックは全く役に立たない。
現代のミステリーでは絶対に無理なトリック。
科学的捜査が確立する前なら可能なトリックなのでした。