AlphonseのCINEMA BOX

フィッシュストーリー

2021/12/06(月)追加

作品情報

制作年:2009
制作国:日本
監督:中村義洋
主演:大森南朋、高良健吾、伊藤淳史、濱田岳、森山未来、多部未華子
助演:中村有志、江口のり子、眞島秀和、山中崇、波岡一喜、滝藤賢一、上田耕一、草村礼子、石丸謙二郎
ジャンル:ドラマ

きっと、つながる

コメント

Alphonse 2021/12/06(月)

テレビ放映にて鑑賞。

「フィッシュストーリー」という曲にまつわる話
というお話。

伊坂幸太郎の同名小説の映画化。

演者は「アヒルと鴨のコインロッカー」と同じく皆豪華。
江口のり子もセリフらしいセリフもないが何気に端役で出演している。

演者に関しては何の問題もないため、
すんなり作品の中に入っていけた。

物語の作りとしては一風変っている。
オープニングにゴレンジャーのエンディングシーンがでてきたり、
パンクバンドが曲を演奏していたり、
一見すると何の関係もないようなシーンが続く。

主人公といえるものはいない。
あえて主人公とするなら岡崎(大森南朋)ぐらいか。

時代設定は2012年からはじまる。
彗星が地球に衝突する五時間前という設定だ。

そこで「フィッシュストーリー」という曲が紹介され、
1975年のその曲の誕生シーンを少し紹介。

その後1982年に時代が移り、80年代の話が続く。
そこから1999年、2009年の話があって1972年の曲の誕生秘話が語られる。

最後までみると、1曲をめぐる1975年から約40年間の物語。
という構図になっているのがわかるという仕掛けだ。
(正確には戦後すぐも登場するため、40年以上の物語。)

本作の魅力は何と言っても、
各年代の雰囲気がどことなく伝わってくることだろう。
なぜなら「フォレスト・ガンプ」のようにCGを駆使しなくとも、
年代を象徴するように人物が描かれ設定がなされているからだ。

70年代はロック。本作ではパンクだったが、
とにかく音楽が若者文化の象徴であるかのように描かれている。
そしてタバコ。こんなに喫煙シーンの多い映画も昨今では珍しい。
いい作品だがゴールデンタイムに放送できないのは、
この喫煙シーンの多さゆえだろう。
そしてファッション。
レイバン風の薄茶のメガネにパンタロン。
いかにも70年代に流行したファッションだ。

80年代になるとホラー。
アナログ感一杯のカセットテープと手書き文字。
大きなハンドルで角ばった車両。
やたらと怒鳴るエラそうな先輩。
これまた80年代を象徴的に表している。

しかも登場する車両が山中を走行しているので、
余計なCG処理をしなくても、
小道具と言葉使いだけで80年代に思えてくるから不思議。

2009年代になるとアクション。
「ベスト・キッド」のような訓練を積んだ青年が、
「沈黙の戦艦」のように活躍する。
これまた9.11以降世界中で頻発したテロとの戦いを象徴するかのようだ。

2012年代になると数学。
理数系女子が、
「アルマゲドン」や「サマーウォーズ」のように活躍する。

各時代で若者文化を象徴する何かが体現されているように思う。

70年代は、情熱。
80年代は、やさしさ。
2009年は、力強さ。
2012年は、頭脳。

実によく出来ている。

感動するとかそういった類いの作品ではないが、
私的には、いい映画でした。