トキワ荘の青春
2021/10/02(土)追加
作品情報
制作年:1996年
制作国:日本
監督:市川準
主演:本木雅弘
助演:古田新太、生瀬勝久、阿部サダヲ、柳ユーレイ、きたろう、桃井かおり
ジャンル:ドラマ
まじめだけど、ヘンだった。
こっけいだけど、真剣だった。
コメント
Alphonse 2021/10/02(土)
テレビ放映にて鑑賞。
トキワ荘に集まった漫画家の卵たちの青春群像劇
というお話。
この作品実はレンタルビデオで既に鑑賞している。
にも関わらず何故かCINEMA BOXに登録していなかったのは、
手塚治虫の活躍シーンは少ないし、
石森(のちの石ノ森)章太郎や藤子不二雄もメインではなく、
寺田ヒロオ(本木雅弘)がメインだったこともあるのだろう。
あまりに地味すぎたからだ。
もしかしたらテレビ放映版に編集されているので、
お色気シーンが多かったのか、暗すぎる青春物語に嫌気が差したのか、
ともかくCINEMA BOXに登録していなかった。
それが20年以上経て鑑賞する機会に恵まれた。
その時の感想を書いておく。
久しぶりに地味ながら丁寧な作りの作品。
あまりに地味すぎて寝てしまわないように、
注意が必要なぐらいだ。
藤子不二雄の藤子・F・不二雄を阿部サダヲが演じている他は、
古田新太や生瀬勝久が演じた人たちはそれほど有名になっていない。
逆に作中(というか現実)で人気が出る、
石森章太郎や赤塚不二夫を演じた役者は、
今では誰?というぐらい無名になっているのが、
不思議というか、なんというか。
敢えてそういったキャスティングにしたのかもしれない。
序盤に藤子不二雄の二人が上京してくる。
その頃は寺田ヒロオに人気があったが、
次第に石森章太郎、藤子不二雄、赤塚不二夫の順に人気が出て行く。
このあたりの経緯は上記3名の漫画家の経歴に詳しい方には周知の事実。
大して見所とは思えない。
しかし誰が何を話しているのか、
誰が誰を演じているのかよくわからないように演出していながら、
人気が出るといきなり画面に躍り出てアップになる。
それが顕著に現れていたのが赤塚不二夫。
この意図的な演出には感心させられた。
人気作品の1コマを登場させても一向に構わないのだが、
敢えてそれをせず、無名時代は誰だかわからないように演出し、
人気が出るとアップのシーンが多くなる。
人物に焦点をあてている点は特筆すべき点だろう。
当時はまだ「三丁目の夕日」も公開されていないため、
昭和を表すため、当時のモノクロ写真が登場する。
それが残念と言えば残念か。
「三丁目の夕日」を観てしまうと物足りない。
それでもテレビがやかましく騒いでなく、
静かな部屋で黙々とペンを走らす漫画家たち。
それに、藤子・F・不二雄の母親(桃井かおり)が訪ねてくると、
絶えず出会う人々に挨拶をかわしている。
このあたりの人物描写は、
昨今のテレビドラマや映画ではなくなってしまった。
時間はゆっくり流れているが、
何か人と人のつながりが絶えずあったような昭和の雰囲気を上手く演出していて、
ただの地味な作品ではなく、
丁寧なつくりに感心しながら最後まで鑑賞できる作品でした。