私たちのハァハァ
2021/07/05(月)追加
作品情報
制作年:2015年
制作国:日本
監督:松居大悟
主演:井上苑子、大関れいか、真山朔、三浦透子
助演:池松壮亮
ジャンル:ドラマ
走れば届く気がした。
コメント
Alphonse 2021/07/05(月)
テレビ放映にて鑑賞。
北九州から好きなバンドに会いに行くため東京まで旅をする女子高生。
というお話。
自転車で東京まで行くと決め、いきなり自転車で広島まで。
広島からは自転車がパンクしたのでヒッチハイクで神戸まで。
神戸で旅費が尽いたためキャバクラで働き、高速バスで東京まで。
東京で念願のバンドに会うも、ステージに上がってしまう大失態を犯してしまう。
あらすじはこんなところ。
映像的には序盤のホームビデオで撮ったような映像と、
高速バス内でのSNSによる無言の会話が目新しかったものの、
それ以外はこれと言ってない。
内容的には可もなく不可もない内容。
好きな女優さんが出演しているならいざ知らず、
そんな事もないのでこれと言って特別書くこともない。
そもそも自転車で東京まで行こうという発想が、
すでにどうかしている。
好きなバンドに会いたければお小遣いを貯めるなり、
バイトをするなりして深夜バスで行けばいい。
と実際に好きなバンドのライブに足を運んだことのある人なら、
誰しも思うことだ。
しかもホームビデオで撮ったような映像は地元から出なくても撮影できるし、
SNSによる無言の会話も図書館での会話にすれば成立する。
しかしそれではがんばった主演の4人にはあんまりなので、
少しは書いておこうと思う。
印象的なのは4人の旅への思い入れの違い。
それが象徴的に表されているのが、ヘルメット。
東京まで自転車で行こうというのを本気にしていない。
としか考えられない。
しかも車輪の小さいミニサイクルのような自転車で乗ってきているのだ。
それとは対照的なのが、髪を金髪に染め、家出する気満々の子。
ラストではすぐには家には帰ろうともしないほど家が嫌いなようだ。
この旅への思い入れの違いが表面化するのが、
神戸でのSNSをきっかけにはじまるケンカ。
バンドのファンを4人とも自認していたはずが、
実は彼氏の方が好きだったり、
仲間と一緒にいたいからバンドのことを好きなフリをしていただけだったり。。。
なかなか興味深いシーンだった。
勝手に「イージーライダー」を彷彿としたりもしたけれど。
さらに、この神戸のケンカのシーンは開始から1時間以上経ってから登場する。
そこまで本作を観ていた人からすると、
SNSでの誹謗中傷がいかにも心ない言葉に思えてしまう。
それも無理もない。
SNSでの発信者は彼女たちがどうやってここまでやって来たか、
その経緯を全く知らないからだ。
このミスコミュニケーションは作中の人物にも存在する。
SNSでバンドメンバーに発信したことで迷惑がかかると思い込んでしまう女の子。
自分が大好きだから相手も自分を大好きだと思い込んでいる。
自意識過剰と言えばそれまでなのだが、
必ずしもそうとは限らない。
バンドメンバーは何ひとつ気にかけていないかもしれないのだ。
それがわかっていない。
SNS(特にツイッター)での誹謗中傷が問題視された頃に作られた作品らしく、
SNSで起きそうなミスコミュニケーションが興味深かった。
エンドクレジットは彼女達が東京の街を走っておしまい。
そういえばほとんど作中で彼女達は走っていた。
「走る=若さ」というのは映像の基本だけれど、
そのお手本のような作品でした。