AlphonseのCINEMA BOX

プラダを着た悪魔

2020/10/19(月)追加

作品情報

制作年:2006
制作国:アメリカ
監督:デビッド・フランケル
主演:アン・ハサウェイ
助演:メリル・ストリープ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、エイドリアン・グレニアー、サイモン・ベイカー、トレイシー・トムズ
ジャンル:ドラマ

恋に仕事にがんばるあなたの物語

コメント

Alphonse 2020/10/19(月)

テレビ放映にて鑑賞。

ファッション雑誌社ランウェイに就職したアンドレア(アン・ハサウィ)。
というお話。

序盤ファッションについて何も知らない主人公アンドレアは、
会社の上司ミランダ(メリル・ストリープ)や先輩から小馬鹿にされてしまう。

けれど観ているこちらとしては、
アン・ハサウェイのその後の活躍ぶりを知っているものだから、
どんなに冴えないイケてないダサイ衣装を着ていようが、
逆馬子にも衣装状態。
全然ダサくもキモくもない。
普通にオシャレに見えるのだから困ってしまう。
映画公開時期に観るべき作品であったといえるだろう。

そんなこんなで出社初日に、
自宅に戻ったアンドレアは、
会社でピンヒールを履いている社員をディスりまくる。

日を追うごとに洒落たイケてるナウい衣装に変っていくのだろうことは、
容易に想像がつく。
そこで、冴えない女子がファッション業界で華やかに変身していく、
シンデレラストーリーなのかと思っていた。

案の定、そのとおりの展開になっていった。

毎日ニューヨークの街並みを走りまわるアンドレア。
着ている衣装も日々変化していく。
それはまるで、目まぐるしく変わるファッション業界を象徴しているかのようだ。
そのためか、ファッション業界を去った後では、
普通の速度で街中を歩きまわっていた。

ただ、製作時期の最先端の流行を取り入れたため、
今観るとどうしても時代遅れの感は否めない。
最初に面接に現れたアンドレアの方がイケてる感がしてしまうのは、
そのためかも知れない。
ファッションをメインに持ってきた作品の宿命とでもいえるだろう。

そして観ているこちらもわからないほどファッション業界用語が連呼される。
シャネル、ガッパーナ、ラピスラズリ、ターコイズ、カルバンクライン。。。
それでも、さすがにハリウッド。
ファッション用語が詳しくなくても楽しめる。
もちろん詳しければ、より楽しめることは受け合いだ。

はてさて仕事一筋に生きるミランダに共鳴するかのようにアンドレアも仕事一筋。

途中「出版前のハリーポッターの原稿が読みたい。」という、
とんでもない無茶ブリがあったりして楽しませてくれるものの、
付き合っていた彼氏ともうまく行かなくなり別れてしまう。
これまたそれに共鳴するかのように、ミランダも離婚してしまう。

ますます仕事一筋になっていく彼女たち。

ラスト近くでは、そのミランダも編集長の座を降ろされそうになる。
同情したアンドレアはなんとか策を講じようとするものの、
そこは百戦錬磨のミランダ。
しっかり手を打って何事もなく過ごしていく。

そのあまりの権謀術中ぶりが厭になったのか、
アンドレアは会社を辞めてしまう。

自分の生活があっての仕事であり、
仕事があっての生活ではない。
自分の信念を曲げてまで働く必要などありはしない。

こうしたことを説教臭くなることもなく、
さらりとオシャレにさりげなく描いているところが、
この作品の魅力だろう。

男尊女卑とかなんとか口やかましい小言はこの際置いといて、
どう観てもタイトルの「プラダを着た悪魔」は序盤ミランダのことである。
しかし、主人公はアンドレアあるから、変貌したアンドレアこそが「悪魔」とみるのが正解だろう。

このタイトルは原題どおりであるから、日本版だからという言い訳は通用しない。
シンデレラになることは悪魔になることである。
といえなくもないが、さすがにそれは早合点すぎる。
この作品の中では仕事一筋であることを「悪魔」としているのである。

過労死なんてことが起こる日本の企業風土には、
耳の痛い作品になったに違いない。