AlphonseのCINEMA BOX

極道めし

2019/11/04(月)追加

作品情報

制作年:2011
制作国:日本
監督:前田哲
主演:永岡佑
助演:木村文乃、勝村政信、落合モトキ、麿赤兒
ジャンル:ドラマ

忘れられないメシがある。忘れられない人がいる。

コメント

Alphonse 2019/11/04(月)

テレビ放映にて鑑賞。

刑務所の囚人が正月のおせちをめぐって美味い料理の話をする。
というお話。

同名漫画の実写化。

囚人は5人。
その1人1人が美味い料理の話をするため、
短編5話が詰まったオムニバス映画といえなくもない。

コメディ映画のつもりで観ていたが、そんな気配はまるでなし。
というより、笑いがスベリまくって一つもおもしろくなかった。

1つ1つエピソードのセットがチープで、
なんともお粗末な映画といいたいところだが、
最初の3つは場を暖めるための前座。

4つめのエピソードが本作のメイン。
両親に捨てられ施設で育ち、
大人になってからラーメン屋で働くしおり(木村文乃)と仲良くなる話。

5つめはすき焼きの話。

作中には随所で「上を向いて歩こう」が流れているが、
この曲の英語版タイトルがすき焼きである。
このさりげない伏線はなかなか気がきいている。

5つの話を終え、おせち料理を食べるところで普通なら終わる。
コメディならそれでも構わない。
ところが、本作はそれ以降も続く。

3年が経ち、刑務所を出た主人公(永岡佑)。
しおりのことが忘れなくて再会する。
言葉は一切交わさない。
ただ、ラーメンを注文し、それを食べるだけ。
あえて帽子をかぶって人相もわからないようにする。
そこへしおりの旦那が帰ってくる。
しかも、生まれたばかりの赤ん坊がいることまで判明してしまう。

なんとも暗いラストなのだが、
ラストカットで赤い風船とともに
「サンタはだれのところにもくるんだよ」
のセリフで終了。

エンディングではウルフルズの歌う
「上を向いて歩こう」
が流れる。

もともと「上を向いて歩こう」はいい歌だ。
そして、この曲は3.11の時、応援歌扱いになった。
そういったエピソードがあるだけでも泣けるのに、
こんな暗いエピソードを別に用意されてしまっては、
泣けぬわけにはいかんでしょう。

しかし、鑑賞後しばらく経ってみると非常に男に都合のよい、
男目線の話。

女性からすれば、自分の部屋に他の女を連れ込んで、
気に入らなければ殴るける。
普通なら、そこで、ジ・エンド。
別れるに決まっている。

それを、刑務所まで面会に来るような女性となると、
余程のM気体質か、ダメンズ好きに違いない。

こんな女性を登場させるのも原作が、
青年男子向けの漫画だからなのだろう。

それでも、男の面倒で、厄介な性格がよく表現されている。
最後のセリフに代表されるように、
すべての人に元気を与えてくれる作品になっていました。