AlphonseのCINEMA BOX

関ヶ原

2019/06/03(月)追加

作品情報

制作年:2017
制作国:日本
監督:原田眞人
主演:岡田准一、有村架純
助演:平岳大、役所広司
ジャンル:戦争

「愛」と「野望」、激突!

コメント

Alphonse 2019/06/03(月)

テレビ放映にて鑑賞。

秀吉亡き後、天下の覇権をめぐって家康と三成は関ヶ原で対決する。
というお話。

司馬遼太郎の同名小説の映画化。

映像的には黒澤明監督作品を意識していたように思う。
逆光当たり前で、太陽を平気で映像の中に映しこむ。

黒澤監督が映画を撮っていた頃、
太陽を直に撮影するとフィルムが駄目になったり、
カメラマンが目を傷めるというので、ダブー視されていた。
それを、世界で始めて行ったのが、黒澤監督らしい。

しかし、21世紀にもなってそれを見せられても、
大した感動は得られなかった。
おそらく原田監督が、黒澤監督をリスペクトしているのだろう。

また、ロングの映像で誰が話しているのかよくわからないシーンを出す。
これは映画館で観ることを前提とした演出。
映画館の大スクリーンでこそ引き立つ演出だ。

今回テレビ放映で鑑賞した私にはつらかった。

内容的にはセリフがかなり早口で語られる。

それを考慮してか、
冒頭字幕を出して鑑賞するようテロップが出されていた。
おそらく、ネットで本作公開時に、
「早口で内容がよくわからない」
という批判が出たためなのだろう。

こんなに早口のセリフになってしまったのは、
おそらく、「シン・ゴジラ」が早口のセリフでもヒットしたので、
それに便乗したのだろう。

しかし、ゴジラの場合はゴジラの生態に関する事柄だけだったので、
それでもよかったように思うが、
本作は歴史上の様々な人物の思惑が乱れ飛ぶ。
そこへ、有村架純の話まで入れてしまっては、
内容が混線して頭に入って来なかったのではないかと思う。

同じく公開時の批判として、
「関ヶ原までの史実がすでにわかっている人が観る作品」
「原作をすでに読んだことのある人が観るべき作品」
というのもあった。

私は原作を読んでいないが、関ヶ原の経緯はあらまし理解していたので、
早口でも問題なく楽しむことができた。
それでも、理解できない箇所があったのも確か。

出来るなら、前半と後半の2本立てで公開しても良かったのではないか。
あるいは、秀吉死後から初めてもよかったかもしれない。
実際、本作で秀吉が亡くなるのは、開始から1時間ぐらい経ってからだ。

柳生の剣豪の話も必要なかったし、
福島正則の話も必要なかったかもしれない。
あんなに早口にする必要があったのか疑問が残る。

それでも、合戦シーンは迫力満点だった。
槍の使い方も史実に基いているのだろうし、
三成が本陣でじっとしていないで、
各要所をめぐっているのも新鮮だった。
流石に三成が、ボーガンのような弓を開発していたのかは謎。
孔明並みだ。

あまりの血の多さに最後はゲンナリ。
「ラストサムライ」を目指したようにも思えるが、
「ラストサムライ」ほどの感動もなく、
せっかくの合戦シーンも無駄になってしまった。

単純に家康VS三成の対決物語に焦点を絞ればもっと面白くなったかもしれない。
あるいは、早口でないバージョンを観てみたくなる作品だった。