劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~
2018/07/04(水)追加
作品情報
制作年:2014年
制作国:日本
監督:荒木哲郎
主演:エレン、ミサキ、アルミン
助演:リヴァイ、エルヴィン、ジャン、ライナー、ベルトルト
ジャンル:アニメ
あの衝撃を劇場で体感せよ!
コメント
Alphonse 2018/07/04(水)
テレビ放映にて鑑賞。
地上に跋扈する巨人と人類との攻防。
というお話。
前編は第1話の超大型巨人出現から、エレンが巨人となり人類の作戦が初めて成功し、
牢屋に入れられるまで。
最初に断っておきますが、漫画は読んでいません。
そのため最新ではどのような展開になっているか知りません。
また、本作も前半は観ていないので、
テレビアニメ版での感想がほぼメインになります。
漫画のテレビアニメ化の総集編ですが、
劇場公開作品ということで取り上げました。
読売ジャイアンツが連勝すると必ずスポーツ紙の見出しに踊る「進撃の巨人」。
漫画連載が少年マガジンというのは単なる偶然なのか。「巨人の星」と同じ少年誌。
それだけでも、生まれるべくして生まれた作品といえなくもない。
さて、内容に触れていこう。
まずは序盤のインパクトが凄い。主人公エレンの母親が巨人に喰われてしまう。
その残酷シーンをしっかり描く。まるで、永井豪の「デビルマン」のような残酷描写。
何故巨人が現れたのか、その説明のないまま物語は勝手に進んでいく。
やっとエレンの父親が残した倉庫の鍵が文字通り真相を解く鍵になっているらしいことまでは判明するが、
その鍵の使うことを忘れたかのように、物語はどんどん進んで謎は深まる一方。
訳のわからないまま、人類に味方する巨人が現れ、その巨人が実はエレンであったと判明する。
概ね本作のあらすじはこんな所だろう。
では感想に移るとしよう。
テレビアニメは序盤のインパクトで、面白そうだと感じたものの、
単なる残酷描写で受け手を驚かせる見世物のような作品ではないかと徐々に感じるようになった。
ところが、巨人が出現してから、人類は壁に守られた空間で細々と生活している。
そこには貧富の差が存在し、生きるために時は法を犯すことさえ厭わない。
一方で富裕層は兵士に守られ安穏と生活している。
この設定に、昨今なにかといわれる格差社会を投影しているように感じてしまった。
そのため、よくネットで見かける巨人の正体が誰なのかを予想するよりも、
漫画を通じて描かれる今の現代社会の風刺の方に興味が移ってしまった。
巨人が人を喰らうのもまさに弱肉強食。資本主義の縮図のようにも思える。
作者や出版社にそういう意図があるかどうかは知らない。
ただ、そのように感じてしまったのだから仕方がない。
そのため、興味深く観ていたのだが、富裕層がどんな人々なのかよくわからないし、謎は一向に解明しない。
話が単調になってくると謎の巨人を登場させて見世物にしてしまう。
しかし、こちらは乗りかかった船なので、仕方なくみてしまい、
調査兵団(エレンの仲間達)がどんどん死んでいくのを切ない気持ちで眺める他はない。
さらに、テレビアニメをシーズン2まで観てしまった私には、本作はつまらないものになってしまった。
なぜなら調査兵団の正体が既にネタバレしているからだ。
よくもまぁ白々しい。という感じしかしない。
敢えて見所をあげるとすれば、空中を飛び回って巨人を倒すアクションシーンぐらいなものだろう。
ここからは、解明されていない謎をいくつか考察してみよう。
その前にこの漫画は実写化されている。
実写版では、この世界は地球の未来の世界で、
進みすぎた文明が世界を破滅してしまった。というよくあるSFものになっている。
これを踏まえて、大どんでん返しとして考えたのは、この舞台が地球ではないということ。
地球によく似たどこか遠い星のお話で、最終的にこの星で生き残った人類か、巨人が地球にやってきたというオチだ。
作品の中には「猿の惑星」のように地球だと断定できるものがないため、そう考えた。
後は、作品の中で描かれているヒントだけを頼りに考えてみると、エレンの父親は研究者で、人類を巨大化できる薬か何かを発明した。
ここからは、色々な選択肢がある。
選択肢1.エレンの父親が人道的な立場の人なら、ここまで巨大化するつもりはなく、ちょっとした栄養ドリンクか医薬品のつもりで作ったのかもしれない。
それが、何かの不注意(エレンの悪戯でもいい)か、事故で薬が大勢の人が飲む井戸水に混入してしまった。
勝手に巨人が増えてしまったから、元に戻す方法を知らない。
そのため、巨人は老若男女関係なく登場し、このような事態になった。
エレンの持っている鍵でその薬の調合方法がわかる。解毒剤は残された人類で考えてくれ。というもの。
選択肢2.エレンの父親がマッドサイエンティストなら、この星を蝕む人類が嫌いだから、とかなんとか、古典的なSFのテーマでもいい、ともかく薬を発明した。
発明した薬を大勢の人が飲む井戸水に混入させ人類で人類を根絶させようとする。
エレンの持っている鍵で解毒剤の調合方法がわかるが、人類が根絶するまでは調合できないような方法になっている。というもの。
選択肢3.エレンの父親は研究者だが、実は宇宙人で、後事のことをエレンに託すためだけに鍵を預けた。
エレンも宇宙人で、遠い宇宙の果てからやってきた。
巨人化でき人間サイズに戻れるのはみんな宇宙人だから。元々いた人類は宇宙人によって巨大化されてしまった。
巨人がウヨウヨいるのは地球征服のためなのだ。とまぁ、こんなオチでは昭和の漫画だ。編集者も納得しまい。
他にも、色々謎はテンコ盛りなので、いくらでも考察できそうだが、
本作の調査兵団の白々しさを見ても分かる通り、後追いで物語を追加していった感は否めない。
連載当初は、ここまで人気作になるとは思っていなかったから、ある程度の話しかなかったのではないかと思われる。
人気の高まりと共に設定をコロコロ変えているような気がしてならない。
エレンの持っている鍵が、中途半端なまま、いつまで経っても使われないのを見ても明らかだ。
昨今の漫画界を見ればわかると思うが、人気作の長期連載が非常に多い。単行本で20巻、30巻は当たり前だ。
時には「まだ連載していたのか」と思うようなものさえある。
この作品もここまで人気が出てしまってはオイソレと終了できない。
延々と続くのだろう。
そう考えると巨人の謎が解き明かされるまで、どれだけ掛かるかわかったものではない。
凝りもせず新しい巨人を登場させて見世物にする話が延々と続くような気がしてならないのであった。