AlphonseのCINEMA BOX

蒲田行進曲

2018/06/11(月)追加

作品情報

制作年:1982
制作国:日本
監督:深作欣二
主演:松坂慶子、風間杜夫、平田満
助演:原田大二郎、蟹江敬三、萩原流行、清川紅子、千葉真一、真田広之、志保美悦子
ジャンル:ドラマ

おい、ヤス!役も女もすべてテメェの力量でかっさらってくるもんなんだよ!

コメント

Alphonse 2018/06/11(月)

テレビ放映にて鑑賞。

映画撮影所の大部屋俳優ヤス(平田満)は、
人気スター銀ちゃん(風間杜夫)の恋人小夏(松坂慶子)を引き受けることになった。
というお話。

舞台で人気が出た、つかこうへい作品の映画化。

ある人は、
拳骨をつくり小指だけをあげ、そのあと、腹の前をふくらんだような仕草をみせ、
「これが、これなもんで。」
という仕草が記憶に残っていたり、
桑田佳祐作曲の挿入歌「恋人も濡れる街角」や、主題歌の「蒲田行進曲」が記憶に残っているかもしれない。
あるいは、衝撃的なラストシーンに作品自体を全否定する人がいるかもしれない。
それくらい当時インパクトのある作品だった。

私の中では、初見時以降ずっと駄作扱いだった。
ラストシーンが気に入らなかったからだ。
そのためCINEMA BOXに登録していなかった。

最近テレビで観る機会があり、この作品が舞台作品の映画化であることを意識して観てみると、実によく出来ている。
ラストシーンもすんなり受け入れられるようになった。
そのため登録することになった次第。

深作欣二監督作品なので、アクションシーンが随所に登場する。
友情出演として千葉真一、真田広之、志保美悦子の三大スターが共演しているのも見逃せない。
アクションシーンを天井から撮影する手法は深作欣二監督が世界初なのではないかと思うほど、すでにこの映画でそれをやっている。
また、若獅子の扮装でアクションさせるなんて、斬新すぎる。

他にも、舞台的な場面展開を利用して、暗転だけでシーンが一気に変わるのも、
映画として斬新だ。
おかげで、テンションを下げることなく、スピーディに物語が進んでいく。
元々深作欣二作品はテンポが速いイメージがあるので、ますます加速していく感がある。

一方で晴天からいきなり曇天になり、雷鳴と豪雨という、
日本映画の昔ながらの演出もあったりする。
舞台を意識したようなシーンにも思えるし、時代的な古さを感じる気もする。

それでも、男性目線だけでなく、女性目線でも物語が作られているため、
あれだけの大ヒットにつながったのだろう。
しかも、映画でありながら、舞台的な演出が随所に登場しているので、
映画にはない新鮮さがある。

他にも、昔から松坂慶子は綺麗だし、真田広之はかっこいいのも再確認できる。

階段落ちをした後に小夏が叫ぶ「あんた!!」からは名シーンが続く。
「あがってこい、ヤス」の銀ちゃんに、
「銀ちゃんかっこいい」と返すヤス。

映画愛に溢れた人々の情熱と、舞台的演出が見事に融合し、
ミュージカルだけが舞台じゃないことを証明し、
舞台を映像化し、成功させた一作。

日本映画史に残る名作だ。