タッチ
2017/09/25(月)追加
作品情報
制作年:2005年
制作国:日本
監督:犬童一心
主演:斉藤祥太、斉藤慶太、長澤まさみ
助演:福士誠治、風吹ジュン、宅麻心、小日向文也
ジャンル:ラブストーリー
初めての恋の切なさも、キラキラ輝く
コメント
Alphonse 2017/09/25(月)
テレビ放映にて鑑賞。
甲子園に行くという朝倉南(長澤まさみ)の夢を
上杉和也(斉藤慶太)亡き後、上杉達也(斉藤祥太)が叶える
というお話。
あだち充の同名漫画の実写化。
ひどい映画だった。
地方予選前日だというのに三人(達也、和也、南)でのんきにキャッチボールしているし、
須見工に負けた後、野球部を欠席していた達也をどこで居場所を知ったのかいきなり、
原田(RIKIYA)が殴りに来るし、
最後の試合前、親たちはなんだか分からないけど、みんなニコニコしてるし、
長澤まさみ演じる朝倉南は何を考えているのかさっぱり分からない。
実はそれも無理ない話なのだ。
元々あだち充の漫画は背景を多く書き込まない上に、
台詞が極端に少ない。
あだち充の漫画の人気は、その空気感にある。
背景を多く書き込まないことで、清々しさや明るさが滲み出るし、
いきなり人物を登場させても、違和感がない。
どこにいるか良く分からないからだ。
連載当時は今のように雑誌が紐でくくられていなかったため、
立ち読みする読者も多く、その読者には台詞が少ない方が目につきやすいし、
台詞が少ないことで、
登場人物たちが何を考えているか想像する面白さがある。
また、飼い犬のパンチをデフォルメして描くことでかわいらしさや
コミカルさがある。
アニメ版では背景を描き込む量を調整できるし、
パンチをデフォルメして描くことも可能だ。
ところが実写版では、そうもいかない。
必要ない情報まで写りこんでしまう。
そのため、いきなり人物が現れたように見えてしまう。
また、多くを語らず、表情や視線やカット割(漫画の場合はコマ割)で
登場人物の感情を表現しているので、
実写化には非常に演技力を必要とすることになる。
ところが、長澤まさみの演技が下手なので、
南は何を考えているのか最後までよく分からない。
考えようによっては上杉兄弟を手玉にとっているようにも見えてしまう。
もっとも酷いのはラストで新田(福士誠治)を三振に取るシーン。
息を呑む最も緊張感のあるシーンだが、
何を思ったか双方の応援は止めてしまうし、
ミットには初めからボールが入っていた感ありありのアップが映し出される。
野球中継を観なれた観客には大爆笑もののシーンだろう。
ラストだと思って応援は止んだりしないし、
ミットにボールが収まる瞬間、ミットはわずかに動くからだ。
さらなるリアルさを追求すれば、
野球未経験者が一年練習して甲子園優勝校に勝てるはずがない。
絶えず160キロ越えの直球でも投げていたのだろう。
上杉達也は天才なのだ。
唯一の救いはアニメ版主題歌「タッチ」の、
かかるタイミングが素晴しかったことぐらいだろう。
あらためてこの曲の良さを再認識したのが、せめてものの救いである。