AlphonseのCINEMA BOX

ISOLA~多重人格少女~

2002/03/04(月)追加

作品情報

制作年:2000
制作国:日本
監督:水谷俊之
主演:木村佳乃、黒澤優、石黒賢
助演:手塚里美、渡辺真起子
ジャンル:ホラー

私の中にいる、13番目の悪魔。

コメント

Alphonse 2002/03/04(月)

レンタルビデオにて鑑賞。

黒澤優みたさに借りたようなものであったが、思った以上に不作。
阪神大震災を描く以上、地震のシーンを映像化することは必然。
地震のシーンの製作費がかなりかさんだのか出演者がなぜかB級。
説得力も迫力もないお手軽な俳優ばかりを集めたような感じが否めない。
阪神大震災をモチーフにした原作だけに単純にホラーにできないという社会的な配慮が
こういった形になったのであろうが、阪神大震災が原因で多重人格になるという設定が不自然に思われて仕方なかった。

前半の阪神大震災の発生から直後の映像に実際の映像を使用し、そこから避難所が映し出され
多重人格の千尋と出会い、その多重人格のそれぞれの名前が漢和辞典(角川映画だけに新字源だが、)の文字の意味どおりに
設定されている所までは実によくできていると思っていたのだが。。。

主人公役の木村佳乃が事件の真相に迫ってゆくのにも説得力に欠けるし、石黒賢のチープな芝居にもうんざり。
13人の多重人格者もせいぜい7人か8人ぐらいか?
黒澤優の1シーンで1人格と数えても無理があるか。。。
13という数字が不吉なイメージを持っているため、そうしたのだろうが
映像では無理過ぎる。原作は未読のため詳細は不明。
映像化しようというのが無謀だったかもしれない。

多重人格物といえば、「ジキルとハイド」や「24人のビリー・ミシガン」が有名で一時期騒がれた頃、
ドキュメンタリー番組で本当の多重人格者を見たことがあり、そちらは怖いというよりも悲哀でいっぱいであった。
確か7人か8人ぐらいの多重人格者で中学生ぐらいだったとおもうが、この映画のように3歳児の幼児や自分の体を虐待するといった暴力的な性格が登場する。
それは、眠りから覚めた時点であったり、テレビを見ている時点に急に訪れたりするものであった。
治療には膨大なお金がかかるため、自宅療養を行うのだが、その患者には小学生ぐらいの妹がおり
その妹は献身的に患者である姉と生活を共にするのだが、次第に姉に影響を受けてしまい、妹自身も多重人格症状があらわれるという
なんとも悲劇的な終わり方であった。

多重人格は遺伝的な要素よりも親の気分屋的な性格や幼児期の体験が原因とされる。
本作も養父の虐待という形をとってはいるが、メイクで人格を区別して表現したのはいかがなものか。
本物をすでに映像で見ていた私には反則技に思えてしまった。

題材が阪神大震災だけにホラーにするには些か不謹慎を免れなかったのではないかという
製作者側のジレンマが見て取れる作品であった。