AlphonseのCINEMA BOX

グリーン・デスティニー

2001/12/06(木)追加

作品情報

制作年:2000
制作国:中国、アメリカ
監督:アン・リー
主演:チョウ・ユンファ、ミシェル・ヨー、チャン・ツィイー、チャン・チェン
助演:ラン・シャン、チェン・ペイペイ、リー・ファーツォン
ジャンル:ラブストーリー

天よ泣け、大地よ叫べ、結ばれぬ運命<デスティニー>。

コメント

Alphonse 2001/12/06(木)

レンタルビデオにて鑑賞。

「ワンチャイ」の「天地狂乱」を見た後の作品だっただけに
展開は遅いは、アクションも空飛んでばかり、ハリウッドが製作したため
ワイヤーアクションはきれいなものの、ハリウッドのセットで撮影したんじゃないの?
と思われるような建物に違和感を覚え、
登場する平原や山脈もアメリカで撮影したに違いないと確信し、
これはアメリカ人が監督、脚本の話とばかり思って見ていると
エンドクレジットで監督、脚本はアメリカ人にあらずと知り、
インターネットで実際の中国での撮影であったと知り、
なんとも自分の馬鹿さ加減に驚いてしまった。
無理もありません。
香港の「ワンチャイ」など、旧来の香港映画ばかり見ていたのですから。。。

展開の遅さは、香港映画というより、中国映画のノリ。
空飛んでばかりのアクションは「スウォーズマン」シリーズで見慣れていたので
さほどの驚きもなく、前半のチョウ・ユンファとチャン・ツィイーの対決はカット割も多く
あまりの出来の悪さに憤懣やるかたなしといった状態。
ところが、ところがである。
チャン・ツィイーの魅力に少しずつ吸い込まれていくうちに面白さが増してゆくのだから
不思議である。

チャン・ツィイー(イェン)がグリーン・デスティニー(碧銘剣)を持って一人旅立ち、食事をしようとするあたりから
旧来の香港映画が持つ「お馬鹿な設定でアクション満載」といった香港映画フルークを納得させるシーンへ突入。
食堂(?)がすでにセットありありの雰囲気で、圧倒的強さを誇るイェンが大暴れし、崩壊するのはすぐに読めてしまうのだが
その期待を裏切らないでお約束どおりやってしまうのは旧来の香港映画(というより武侠映画)好きにはたまらないシーンであった。

その後のチョウ・ユンファとチャン・ツィイーの竹の上での対決は静かながら
ワイヤーアクションの可能性をまざまざと見せてくれたし、
ミシェル・ヨーとチャン・ツィイーの対決は、これぞアクション映画!!
という面白さを見せてくれている。
途中上空からのアングルもこれまでスタントを使用した場合、
遠景にするか、長髪で顔を隠すしかなかったのだが、
たとえスタントであってもそうだとは思わせないシーンになっている。
また、碧銘剣の凄さを表すためすべての武器が切られてしまうのも小気味いいし、
香港映画になかった剣と剣が触れた時の火花を見せるのも見事。

欲を言えばラストで仇打ちの対決シーンでの盛り上がりが欲しかったところ。

しかし、この映画を単なるアクション映画にせず、
ラブストーリーとして仕上げようとするためには、
仇打ちの対決シーンはあのくらいでよかったのではないかと思わせてしまう。

旧来の香港映画の面白さを持ちながらも
アクションだけにとどまらないラブストーリーとしてもよくできていて、
香港映画とハリウッドのもっとも幸せな形での共演となった本作は
第73回アカデミー賞 外国語映画賞、作曲賞、美術賞、撮影賞を受賞しました。

チャン・ツィイーは誰のために身を投げたのかが少し謎として残りました。

しかし、この映画のジャンルはどこに入れるべきなのか、最初非常に戸惑いました。
アクションとしては少ないし、ラブストーリーや人間ドラマとしては感動がないし。。。
ただし、この作品をきっかけに香港のアクション映画の可能性が広がったのは間違いありません。

余談ですが、暗闇でのチャン・ツィイーはブリリアントグリーンのボーカルに似ていると思ったのは私だけでしょうか?
それから、もともとワイヤーアクションは
ブルース・リーなど本格アクション俳優にかなわない人々のために
生まれたもので、香港のテレビで多用され、アクションができない人でもできるように
派手に見せるためのものだそうです。